山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

ホラー

この家には鬼がいる。「夜叉御前」1982年

あらすじ 15歳の紀子の家は山深い一軒家に引っ越してきた。 最初からその家に良くないものを感じていた紀子は、やがて家の中に「鬼」が見えるようになり、「鬼」に狙われるようになる。 病気の母や幼い弟妹や祖母の世話をしながら鬼と戦う紀子だったが、その…

ステージママに搾取される娘。「汐の声」1982年

あらすじ 17歳の佐和はステージママの言いなりでインチキ霊能力タレントをやっている。 ある時、死んだ母子の霊が出るという屋敷にしばらく滞在することになった、オカルト雑誌の取材陣と佐和ら霊能力者たち。 他の霊能力者が何もいないと言う中、佐和にだけ…

理由も動機もわからない怖さ。「蛭子」1985年

あらすじ 上京して一人暮らしを始めた貧乏女子大生・里見は、一度挨拶に行っただけの遠縁の美少年・春洋(はるみ)に懐かれる。 しょっちゅう遊びに来るようになった春洋を、初めは弟のように可愛く思っていた里見だが、春洋が部屋に来るたびに奇妙なことが…

人間の意識を保ったまま動物になるって普通に恐怖だよね。「キルケー」1979年

あらすじ 中学生の奈津子、広、隆、進、小学生の道子。5人は山でのハイキングの帰り、バスに乗り損ね、山中を彷徨っていた。 日も暮れ弱気になっていた頃、5人は山の奥に家の灯りを見つけ、助けを求める。 その館に住んでいたのは大量の動物たちを飼う、妖艶…

ただ、男について行くだけの女の怨念。「雨女」1994年

あらすじ 三田数良はその恵まれたルックスで数々の女を物にし、金目的で手にかけてきた。女たちの愛と怨念に取り憑かれることになるとも知らずに…。 こういう男はモテないでほしい。「ロス疑惑」が元ネタのホラーです。イケメンの数良は女を騙すのが得意。そ…

鬼門全開おばさんが行く!「あやかしの館」1981年

あらすじ 葵は高校に通うために、叔母の由布子の家に居候することになった。 浮世離れした由布子の性格にも慣れてきた頃、葵はその家で起こる奇妙な現象に気づく。 自宅がお化け屋敷。 この後『二口女』の由良子さん&縁ちゃん、『ケサラン・パサラン』の由…

桃のコンポートで霊を撃退するホラー漫画初めて見た。「千引きの石」1984年

あらすじ 中学2年の可南子は両院の離婚によりN市の学校へ転校してきた。しかし学校の古い体育館には恐ろしい噂があり…。 「戦争中、空襲にあってケガ人をあの体育館に運んだらしいよ」 空襲に遭った人々の霊がうごめく古い体育館で恐ろしい出来事が!という…

ただお互いをむさぼり食うだけの存在。「グール(屍鬼)」1979年

あらすじ 男は海難事故に遭い、奇跡的に無人島に流れ着いた。 島にはすでに一人の女がいた。 その奇妙な島では不思議なほど生き物が捕れず…。 「無理よ。この海の魚は絶対とれないわ。私も何度もやったのよ」 もうずいぶん昔に島に流れ着いたと言う女。なぜ…

笛を吹く時、何かが起こる。「笛吹き童子」1986年

笛にまつわる短編二本立て。 第1話「石笛」 山梨のとある旧家。亡くなった祖父の葬式にやって来た親戚は、宝の山(遺品)を漁りに来たハイエナばかり。 残された祖母は曾孫である美沙ちゃんに倉の鍵を渡し、「石笛(いわぶえ)」という古い笛を渡します。お…

ネジを巻くのが日課です。「ネジの叫び」1971年

あらすじ 造船王の娘・セシルは同じ大学のジョージと結婚した。 しかしジョージは財産目当てでセシルと結婚しただけだった。 ある日、二人が乗っていたヨットが嵐で転覆する。ジョージは好都合とばかりにセシルを見殺しにするが…。 財産目当てだった夫を死ん…

おしゃれ道は死後も続く!「着道楽」1993年

あらすじ とっておきの桜の着物を着て母の法事へ行こうとする志麻子。 しかし着替えてもいないのにいつの間にか法事の時間になってしまった。 着替えるために家へ急ごうとする志麻子だが…。 山岸先生といえば、ストーリーと関係ないところでお着物を描きたが…

押入れを開けるのが怖くなる。「押し入れ」1997年

山岸先生が美内すずえ先生から聞いた「他人のフンドシ」恐怖話。けっこう勇気を出さないと読み返せないホラーです。 押し入れとか箪笥(観音開きのやつ)ってむやみに怖いですよね! 人が入れる大きさがあるからかな。 この話は美内先生のアシスタントさんが…

死んだ後こんなだったらすげーやだ。「化野の…」1982年

あらすじ 「私」は会社帰りに道に迷ってしまった。歩けども歩けども知っている道に出ない。早く家に帰りたいのに、いつまで経っても家に辿り着かない…。 早く家に帰らなくちゃ…… 主人公(多分本当はもう死んでる?)が延々彷徨い歩くだけのお話。 知らない道…

少女の死体を求める市松人形。「わたしの人形は良い人形」1986年

あらすじ 昭和21年。初子という少女が事故で死んだ。葬儀では副葬品として立派な市松人形が添えられたが、どういうわけかその人形は初子と一緒に焼かれないまま箪笥に仕舞われてしまった。それ以来、人形は女の子の死体を求めるようになる…。 「このお人形あ…

努力しない人間は食べちゃうぞ。「八百比丘尼」1982年

あらすじ 私立女子高生の江崎はつまらない日常にうんざりしていた。しかし夏休みを前にしたある日、八重子という美少女に声をかけられた江崎は彼女の家に遊びに行くことに。八重子の家には八重子そっくりの顔をした母と叔母がいた。 東京へ来ればなにかいい…

オール実話の怖い話。「読者からのゆうれい談」1983年

73年の『ゆうれい談』から10年の時を経て、続編。当時『ゆうれい談』を発表した後に山岸先生へ届いた、「霊的体験を綴った、おびただしい数のお手紙」の中からいくつかピックアップされた怖い話です。3話しか入ってないですが。短い。かくれんぼをしていた女…

えっ、おにぎりの具を当てる能力めっちゃ欲しい…。「ゆうれい談」1973年

山岸先生が漫画家仲間から聞いた「幽霊談」を一挙公開!「手ぬぐいを巻いた幽霊、柳の精霊に恋された姉、幽霊に脚を引っ張られて膝がはずれた少女、窓を叩き続ける左手…。実際にあった怖い話、それと私の好きな「不思議で奇妙な話」もちゃんと入ってて嬉しい…

代々殺人鬼の家系。「ねむれる森の…」1974年

あらすじ リュシアンは、婿養子に入った友人・レイモンに招待され、レイモンの住む古城にまでやって来た。しかしそこにはレイモンはおらず、城にはレイモンの妻であるヴェルヴェヌと醜悪な老婆しかいなかった。リュシアンはその城にしばらく滞在することにす…

幽霊と根比べ。「だれかが風の中で…」1973年

あらすじ 盲目の少年ジュールのピアノ教師兼看護婦としてラガッシュ家にやって来たニコル。ジュールは少しずつニコルに心を開いてくれるようになる。しかしニコルはその家でたびたび謎の少女の姿を見かけ…。 「彼女はね、母親にすてられたんだ。再婚のじゃま…

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