笛を吹く時、何かが起こる。「笛吹き童子」1986年
笛にまつわる短編二本立て。
第1話「石笛」
山梨のとある旧家。亡くなった祖父の葬式にやって来た親戚は、宝の山(遺品)を漁りに来たハイエナばかり。
残された祖母は曾孫である美沙ちゃんに倉の鍵を渡し、「石笛(いわぶえ)」という古い笛を渡します。おばあちゃんはボケちゃてますが、死者を悼むことすらしない金の亡者どもを許しはしません。生き霊となって美沙ちゃんに妖しげな笛を吹かせます。
「吹いてごらん! 美沙ちゃん」
ばあちゃん顔が怖い!
少女が吹いた石笛によって、死者の屍は起きあがり地割れは起こり、腹黒い親戚達は全員家ごと地割れに飲み込まれます。BGMは筋肉少女帯の「ノゾミ・カナエ・タマエ」でお願いします。
ていうかおばあちゃん…幼い美沙ちゃんに何やらすのよ…。これおばあちゃん(本体)と倉にいた美沙ちゃんは助かってるんですかね??
第2話「笛吹き童子」
今度はいきなり平安時代です。そしてこっちは普通に良い話です。
雅楽頭の総領であるはずの直行。しかし彼はとんでもなく楽器の才能がありませんでした…。
「楽器を弾く才能はなくても、そなたは壊れた楽器を丁寧に修復する。それは楽器を上手く弾くのと同じくらい立派なことですよ。でもうちは雅楽頭ですからねえ」というお母様のフォローが全然フォローになってません。もう楽器修復職人になればいいじゃん…。
楽器の道を諦めて2年経ったある夜、大工をやってた直行は「切り口ヶ原の笛の怪」こと笛吹き童子から壊れた笛を預かります。
その笛を完璧に直した時…、何ということでしょう(加藤みどりの声で)、直行に奇跡が…! こっちはハッピーエンド。よかったね。
マンガとか小説に出てくる笛や琴や三味線の「妙なる音色」とか「妙音」とかを想像するのが好きです。実際の音より私の脳内で鳴ってる音の方が良い音出してる自信がある。