山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

時間に関する不思議な話。「タイムスリップ」1993年

世の中、摩訶不思議な話というのは結構あるものです。

山岸先生の実際の体験や、周りから聞いた「時間に関する不思議な話」をバカになりきって話す実話系の作品。
面白かった! こういう不思議な話大好き! 幽霊ものより超常現象っぽい話のが好きなんです。

最初の話は「比叡山を車で下る時、何度も同じ場所に出てしまう」というお話。これは山岸先生の体験なのですが、驚くことにそれをアシさんに話した時、アシさんの一人が
「わたしも比叡山で同じ目に合った!」
タクシーで山道を下っているはずなのに何度も何度も見る景色。同じお地蔵様。うしろの席で不思議がっていると、タクシーの運転手さんが一言。
「いやあ! この辺はこんなことがよくあるんですよ」
てことは地元の運転手さんはみんな、比叡山に登る時は時間の流れのおかしい所につかまってしまうことを覚悟して行くのか?

山岸先生がまたそれを別の人・Yさんに話すと、
「わたしもそれと同じような経験しました」
こうしてつながっていく不思議体験の輪!
東北地方を旅行中、速度と時間からいって目的地についてもいいはずなのに、なぜか終わらない真っ暗な一本道(怖い)。そんな時ふと見つけた小さな木造の建物(怖い怖い)。裸電球が灯っているのに誰も出てこない(怖い)。
しかも驚くことに、松島トモ子も自宅マンション付近で迷った時、同じような体験をしたということをテレビで言っていたらしい。東北地方と東京で同じような無人の木造の建物。怖いって!
その建物は異次元に迷い込んでしまった人を待ち受ける建物か何かで、管理人はこの世の者じゃないんですよ、きっと。

博物学者のサンダーソン博士はアズエー湖の近くで道に迷ってしまった。歩き疲れてふと気がつくと、なぜか15世紀のパリにいた。
なぜか「15世紀のパリだ」と直感で思う博士と奥様。こ、これは怖い。下手したら帰ってこれなそう。どうでもいいけど15世紀のパリって下水技術が皆無で窓からトイレのウンコぶちまける時代じゃなかったっけ。やだな。
そしてやっぱり訳知り顔の地元民。比叡山付近のタクシー運転手のように、地元の人たちの間では日々「坊や、アズエー湖の近くはたまに500年前のパリになるから気をつけなさい」「はーい、いってきます」みたいな日常会話が繰り広げられてるのか!?
「現在のアズエー湖付近」と「15世紀のパリ」に何らかの理由でリンクがはられてるとか?? 時間や距離など意に介さないのが超常現象。あの世は過去と現在と未来が同時に存在するらしいし(by白眼子さま)。

このエピソードは山岸先生が読んだ『世界不思議百科』に載ってます。私も読んだことありますが、けっこう面白かった。

これらの話のすごいところは、同じような体験を複数の人がしているというところですね。煙草に火をつければ帰ってこれるらしいので、 私も一度くらいは狐に化かされてみたいかも。

収録コミックス

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