山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

究極の尽くすタイプ。「イシス」1997年

あらすじ

王の座に着いたオシリスは、妹のイシスと結婚させられる。しかしイシスは不気味な白髪と不思議な力を持っていたため、オシリスは彼女を厭う。
一方、オシリスの双子の弟であるセトオシリス暗殺を企んでいた。


イシスはこいつのどこが好きなのか。
エジプト神話の登場人物・最強の魔術の女神であるイシスに焦点を置いたお話。原話が神話のせいか、妙に登場人物に感情移入しにくい上に好感もあまり持てない作品。
神話でのオシリスさんは普通にいい人なんですが、山岸版のオシリスはイシスをぞんざいに扱う浮気者のいいとこなし。初夜なのに愛人ネフティスの所へ行ってしまったオシリスを待つイシスは『日出処の天子』の大姫のよう。でもイシスはそんな夫に健気に尽くす。こいつのいいところを教えてほしい。

【簡単な相関図】
イシス→オシリス→←ネフティス←→セト→←稚児

オシリスの弟・セト(こちらも特に性格が良くない)は妻・ネフティスを寝取られた恨みからオシリスを殺してバラバラにして捨ててしまいます。殺人&死体損壊&死体遺棄役満ってかんじ。でも死者蘇生の能力を持つイシスがオシリスを生き返らせます。
神話では謎の魔術でパパッと蘇生させてしまったイシスですが、山岸版ではそれなりに魔術の説明がされます。イシスの若さ全てとその辺にいた悪い奴の肉の分子を引き換えに、一瞬だけオシリスを生き返らせたのです。割に合わない。

生き返ったはいいけど今すぐにも再び死にそうなオシリスに、イシスは愛人ネフティスをあてがって「さあ! 子供を作るのよ」
半分死んでるオシリスと、あまりのことに気がふれたネフティスのベッドシーン(効果音は「ユサユサ」)はショックでした。
そんなわけわからん状況に置かれたらそりゃネフティスも発狂するよね。ちなみに元気だった頃のネフティスは美人で何も考えてない節操なしのビッチで、わりと好きでした。
オシリスはやることやった(というか、やらされた)後に再び死亡。その肌はまるで乾燥しているかのようにカサカサになっていました。それがエジプト最初のミイラになったそうな…。

オシリスを惨殺したセトは王にはなったものの、オシリスの呪いか子供が一人もできず、おまけに稚児趣味だったため、成長したオシリスの息子・ホルスの色仕掛けに騙されて毒殺されましたとさ。セト様は悪役としてキャラが立っている。

収録コミックス

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