山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

雨の日、未来の娘がやって来る。「雨の訪問者」1979年

あらすじ

独身貴族の久仁子のアパートに、ある日突然ベルと名乗る小さな女の子が現れた。
まるで昔から一緒に暮らしていたかのように親しげに振る舞うベルを、久仁子は不思議に思うが…。


原理はわからないけど、ほのぼの。
山岸作品の中でも数少ない、最初から最後までほのぼの系のお話。恐怖もの多めの単行本に収録されてたりすると清涼剤的役割をする作品です。ベルちゃんがかわいい。
山岸先生の描く細かい生活シーンが好き〜。慎ましやかな久仁子さんのアパート、ストロベリージャムの入ってるスコッチパイ、四角い目玉焼き。

お花屋さんで買ったきれいな薔薇を飾って、好きな和食を作って食べたあとにゆっくり本を読む…という羨ましい暮らしをしている独り者の久仁子さん。
そんな静かな生活も、いきなり現れた女の子・ベルにぶち壊されます。

「あの、ベルちゃん、一体あなたどこから」
「いやだあ、おばちゃん。
あたしずっといっしょに住んでいたじゃないの」

「あの子頭がおかしいのとちがうかしら」とか思いつつもベルのハンバーグだけお子さまランチっぽく仕上げてあげる久仁子さんはいい人。

ふふふ…考えようによっちゃおもしろいじゃないの。
生まれてこのかた40年近く平々凡々たる生活をおくってきたわたしにも
奇妙なことのひとつやふたつおきてもね。

だんだん楽しくなってきちゃった久仁子さん。しかし、奇妙な生活はたった2日で終わり、急にベルはいなくなってしまいました。でもベルのおかげで、自分一人だけの楽ちんで自由な暮らしを捨てて、誰かと多少不自由な生活をしてみてもいかも知れない…と、お見合いを決意します。
それからしばらくして、夫の妹の娘を預かることになった久仁子は、そこでベル(本名鈴子)と再会するのでした。

そういうことだったの!

いや、どういうことだよ!

…最近愛着障害の本を読んでるので、「ステンドグラスの修行をしに2〜3年ローマに行くのでその間2歳の娘をよろしくね!」のくだりで、おいおいそんな大事な時期に保護者チェンジしちゃって大丈夫なの!? 母親帰国してもベルからしたらあんた誰状態じゃない?!と思ってしまった。妹さんの決断力…。ついでにいうと、「誰かと不自由に暮らしてみてもいいわよね」みたいな気持ちで全く知らない人といきなりお見合いする感覚も、世代の違いのせいかちょっとよくわからないです。でもこの話はほんわかして好きですよ。

収録コミックス

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