山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

主人公が青年

埴輪馬の恩返し。「副馬」1983年

あらすじ 貧しい尺麻呂(さかまろ)は、森で埴輪の馬を拾う。 埴輪の馬の折れた足を直してやったところ、ある夜、人とは思えない者が馬を取りにやって来る。 気づくと家の前には財宝が置かれており、喜ぶ尺麻呂だったが、妬んだ者に盗掘の濡れ衣をかけられて…

逃げ続けた男の歪んだ自己愛。「負の暗示」1991年

あらすじ 昭和13年。一人の男が一晩のうちに村の住民たちを30人惨殺するという陰惨な事件を起こした。 そのまま自殺した犯人は、これといって極悪人でも精神異常でもない平凡な22歳の青年・土井春雄だった。 彼はなぜこのような事件を起こすに至ったのか。 …

お姉ちゃんは無敵。「月読」1986年

あらすじ 神々の住まう高天原。暗い夜の神・月読(ツクヨミ)は太陽神である天照(アマテラス)を慕っているが、天照はいつも風の神・須佐之男(スサノオ)ばかり可愛がり、月読には冷たかった。 天照や須佐之男のように明るい男になりたいと願う月読は、愛…

社会に適合できない天才はどう生きていけばいいのか。「牧神の午後」1989年

あらすじ 1909年。ロシアバレエ団の新人、ヴァーツラフ・ニジンスキーは「アルミーダの館」で衝撃的なデビューを果たし、その異常なまでの才能で人々を驚かせ続けた。 しかしバレエマスター、ミハイル・フォーキンだけは、ニジンスキーの天才性の裏にある「…

少年は死ぬまで他人に与え続ける。「幸福の王子」1975年

あらすじ 小悪党のマーティンは財閥に嫁いだかつての恋人・コンスタンスが死んだことを知り、破産した彼女の家へ忍びこんだ。その際出会った彼女の幼い息子は、マーティンの後をついて来る。気がふれているらしいその少年を見捨てられないマーティンは仕方な…

ただお互いをむさぼり食うだけの存在。「グール(屍鬼)」1979年

あらすじ 男は海難事故に遭い、奇跡的に無人島に流れ着いた。 島にはすでに一人の女がいた。 その奇妙な島では不思議なほど生き物が捕れず…。 「無理よ。この海の魚は絶対とれないわ。私も何度もやったのよ」 もうずいぶん昔に島に流れ着いたと言う女。なぜ…

笛を吹く時、何かが起こる。「笛吹き童子」1986年

笛にまつわる短編二本立て。 第1話「石笛」 山梨のとある旧家。亡くなった祖父の葬式にやって来た親戚は、宝の山(遺品)を漁りに来たハイエナばかり。 残された祖母は曾孫である美沙ちゃんに倉の鍵を渡し、「石笛(いわぶえ)」という古い笛を渡します。お…

ネジを巻くのが日課です。「ネジの叫び」1971年

あらすじ 造船王の娘・セシルは同じ大学のジョージと結婚した。 しかしジョージは財産目当てでセシルと結婚しただけだった。 ある日、二人が乗っていたヨットが嵐で転覆する。ジョージは好都合とばかりにセシルを見殺しにするが…。 財産目当てだった夫を死ん…

おまえはママなしでは生きていけないのよ。「スピンクス」1979年

あらすじ 「僕」は魔女の館に住んでいた。「僕」は真っ白な部屋に来る日も来る日も立っていた。毎日毎日「スピンクス」がやって来て「僕」に質問をする。声も出ず体も動かせない「僕」は「スピンクス」に弄ばれる。そんなある日、知らない男の人がアーチーの…

親のない子より、子を亡くした親の方が可哀想。「ウンディーネ」1978年

あらすじ 北海道の沼に撮影にやって来た陸田(おかだ)は、沼で溺れていた少女を助ける。ウンディーネを思わせる可憐な少女・行子(ゆきこ)に魅かれていく陸田だったが…。 「ゆき子って 降る雪?」「残念ながらそうじゃないの。せっかく北海道で生まれたの…

代々殺人鬼の家系。「ねむれる森の…」1974年

あらすじ リュシアンは、婿養子に入った友人・レイモンに招待され、レイモンの住む古城にまでやって来た。しかしそこにはレイモンはおらず、城にはレイモンの妻であるヴェルヴェヌと醜悪な老婆しかいなかった。リュシアンはその城にしばらく滞在することにす…

牧神として育てられた子供。「シュリンクス・パーン」1976年

あらすじ 大学を卒業したばかりの新人小説家オシアンは、亡くなった叔父の屋敷を受け継ぐが、そこにはシュリンクス・パーンと名乗る謎の少年がいた。オシアンとシュリンクスは奇妙な半同居生活を始める。 その一、オールド・バターシー・ハウスの所有者とな…

心理的虐待、ダメ、絶対。「赤い髪の少年」1973年

あらすじ 大学院生のエマニュエルは従兄の家に招かれた。そこの息子のステファヌは「にんじん」と呼ばれ、母親セブリヌから心理的虐待を受けていた。 「なぜ彼のことをにんじんと呼ぶのです? 髪が赤いからですか?」「あの子の心ときたら髪よりすごい色なん…

ママン、あたしは醜いの?「ラプンツェル・ラプンツェル」1974年

あらすじ 若き植物学者のオクターヴは、塔の中に住む美しい少女ミケティと出会う。ミケティは母親に「おまえは醜い」と言われ続けながら育てられていた。 「マ、ママン、あたしはみにくいの?」「そうよミケティ。外にでたらころされるわ」 ものすごい美少女…

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