山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

人間には制御できない巨大な力。「パエトーン」1988年

あらすじ

全世界を震撼させたチェルノブイリ原発事故。そして、日本にも続々と作られている原子力発電所。その恐ろしさも知らず、人類は制御できない日輪の馬車を駆っている愚かな「パエトーン」と同じなのではないだろうか? 原発への問題提起作品。


チェルノブイリ原発事故の2年後に描かれた作品です。社会派漫画なので進行は山岸先生本人が担当。

水の豊富な我が国で水力・火力以外の電気が必要なのかしら?

かねてより疑問を抱いていた山岸先生は、チェルノブイリの事故のあと原発について調べ出します。それに基づいて描かれたこの作品は読み終えるとゾクッとするほど恐ろしいです。特にチェルノブイリ事故の報告がすごい怖い。チェルノブイリも事故が起きる前までは日本と同じく「絶対安全」と言われていたかと思うと…。
この作品が描かれてから23年後、東日本大震災福島第一原発でも事故が起き、祖母が福島に住んでいたので我が家はけっこう大変でした。なんかね、係の人が汚染された庭の土を削ってくれたんだけど、その土を置く場所がないらしく、土はそのまま庭先に置いておいてくださいって言われたんだって。削った意味なくない…???

みなさんもこんな事考えたりしませんか?たとえば好きな映画やアニメの中での事
核戦争が終わって何もかも失った世界で 雄々しく活躍する少年や少女と自分をダブラせたり……とか
それが核戦争なのか原発事故なのかわからないけど、放射能におかされる時代がくるとすればこれからなのよ。
ひどい目に遭うのはこれから! わたしでありあなたなのです。
核戦争後に生まれるヒーローヒロインに、わたし達は決してなれないのです。

収録コミックス

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