山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

霊・死後の世界

ステージママに搾取される娘。「汐の声」1982年

あらすじ 17歳の佐和はステージママの言いなりでインチキ霊能力タレントをやっている。 ある時、死んだ母子の霊が出るという屋敷にしばらく滞在することになった、オカルト雑誌の取材陣と佐和ら霊能力者たち。 他の霊能力者が何もいないと言う中、佐和にだけ…

みんながその子を鬼にした。「鬼」1995年

あらすじ 天保8年。奥州枯野村はひどい飢饉に襲われ、親に不要と判断された子供たちは口減らしのために穴の中に捨てられた。 時は流れ、M美大の民俗学サークル「不思議圏」は寺に合宿に行くことになった。その土地の飢饉について調べていた彼らだが、寺では…

ただ、男について行くだけの女の怨念。「雨女」1994年

あらすじ 三田数良はその恵まれたルックスで数々の女を物にし、金目的で手にかけてきた。女たちの愛と怨念に取り憑かれることになるとも知らずに…。 こういう男はモテないでほしい。「ロス疑惑」が元ネタのホラーです。イケメンの数良は女を騙すのが得意。そ…

見えない目には見えないものが見える。「青海波」1982年

あらすじ 盲目の少年・多(まさる)が波打ち際を歩く。 多の見えない目には、すでにこの世を去った人々が見えていた。 「ゆっくり休んでくださいね」 「異能」や「死んだ人」が出てくるけど、幽霊に優しい多くんと特に何も悪さをしない幽霊さんのおかげで和…

取り憑く側の物語。「黄泉比良坂」1983年

あらすじ 「私」は気がつくと一人深い静寂の中にいた。 暗闇の中、たまに通り過ぎる人々を追いかけ、自分が誰かもわからぬまま「私」は彷徨う。 ああ、どうしよう。わたしは自分が誰なのかわからない! 幽霊密着取材。 「私」は自分が死んでいることに気づか…

ただお互いをむさぼり食うだけの存在。「グール(屍鬼)」1979年

あらすじ 男は海難事故に遭い、奇跡的に無人島に流れ着いた。 島にはすでに一人の女がいた。 その奇妙な島では不思議なほど生き物が捕れず…。 「無理よ。この海の魚は絶対とれないわ。私も何度もやったのよ」 もうずいぶん昔に島に流れ着いたと言う女。なぜ…

おしゃれ道は死後も続く!「着道楽」1993年

あらすじ とっておきの桜の着物を着て母の法事へ行こうとする志麻子。 しかし着替えてもいないのにいつの間にか法事の時間になってしまった。 着替えるために家へ急ごうとする志麻子だが…。 山岸先生といえば、ストーリーと関係ないところでお着物を描きたが…

まさかこれで終わりじゃないでしょ?「ある夜に」1981年

8ページの短いお話。『化野の…』と似た「死者が町を歩く」話ですが、あっちの主人公は自分が死んだことに気づいてないのに対して、こっちの女性達は全員理解してあの世へ向かってます。 4人の女性が町を歩く。一人は華の道、一人は砂の道、二人は石の道を歩…

死んだ後こんなだったらすげーやだ。「化野の…」1982年

あらすじ 「私」は会社帰りに道に迷ってしまった。歩けども歩けども知っている道に出ない。早く家に帰りたいのに、いつまで経っても家に辿り着かない…。 早く家に帰らなくちゃ…… 主人公(多分本当はもう死んでる?)が延々彷徨い歩くだけのお話。 知らない道…

あの日の広島。「夏の寓話」1976年

あらすじ 広島のおじの家の留守番を頼まれた大学生・澄生は、謎の女の子と出会う。とても内気で自分の名まえも家も教えてくれない女の子と仲良くなった澄生は、ある夜不思議な幻を見る。 「きみ、なんて名まえなの」 「…………わかんない」 自分の名前も家もわ…

肉体を捨てたストーカー。「バンシー」1979年

あらすじ わけも分からず夜の森を彷徨う美少女は、ある小説家の家に辿り着くが、誰にも気づいてもらえない。オールドミスのドロシイは下宿の窓から、ある小説家の家を双眼鏡で見つめる。 子供たちの間では、バンシー(泣き女)が出るという噂が立っていたが……

幽霊と根比べ。「だれかが風の中で…」1973年

あらすじ 盲目の少年ジュールのピアノ教師兼看護婦としてラガッシュ家にやって来たニコル。ジュールは少しずつニコルに心を開いてくれるようになる。しかしニコルはその家でたびたび謎の少女の姿を見かけ…。 「彼女はね、母親にすてられたんだ。再婚のじゃま…

そして少女は神になってしまった。「時じくの香の木の実」1985年

あらすじ 正妻の娘・日向、妾の娘・日影。 ほぼ同時に8歳になった二人は、巫女である大叔母の屋敷に連れてこられ、どちらが跡継ぎとなるかが試される。差し出されたのは奇妙な果実…。 「それを食べるのです。それを食べるとおまえ達のどちらかが 永遠に年を…

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