山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

主人公が少年

みんながその子を鬼にした。「鬼」1995年

あらすじ 天保8年。奥州枯野村はひどい飢饉に襲われ、親に不要と判断された子供たちは口減らしのために穴の中に捨てられた。 時は流れ、M美大の民俗学サークル「不思議圏」は寺に合宿に行くことになった。その土地の飢饉について調べていた彼らだが、寺では…

男を狂わせる美幼女は蛇神なのか、それとも。「蛇比礼」1985年

あらすじ 高校生の達也の家に、孤児となった従妹の美少女・相馬虹子(にじこ)が引き取られて来た。 しかし、気のふれた父に育てられた虹子は、その異常なまでの妖艶さで周囲の男たちを狂わせていく。 カジュアルな服を着た虹子のガッカリ感。 同じく魔性の…

蘇我くんのもうれつ受験校改造計画。「メタモルフォシス伝」 1976年

あらすじ 都内の某受験校にある日転校してきた不思議な少年・蘇我要。 毎日勉強勉強でピリピリしている学校で、それぞれに問題を抱える久美・新田・小山・大田原。蘇我はその不思議な力で、彼らを、学校を、少しずつ変えていく。 全国の高校(ハイスクール)…

王朝の年の差兄弟愛に萌え。「水煙」1986年

あらすじ 男大迹大王(おほどのおおきみ)と婢の子である13歳の阿豆王(あつのきみ)は、後見人のクロヒトが死に、父の唯一の手がかりである耳飾りを手に都へ向かうが…。 「都の人はみんな冷たいんだよ。一人を除いてはね」 処世術に長けた少年が「王子様」…

見えない目には見えないものが見える。「青海波」1982年

あらすじ 盲目の少年・多(まさる)が波打ち際を歩く。 多の見えない目には、すでにこの世を去った人々が見えていた。 「ゆっくり休んでくださいね」 「異能」や「死んだ人」が出てくるけど、幽霊に優しい多くんと特に何も悪さをしない幽霊さんのおかげで和…

40歳を過ぎた永遠の妖精。「クリスマス」1976年

あらすじ 親戚を転々としていた少年・ジョルジュは、フォーク家に居候することになった。 ジョルジュを厄介者扱いする大人ばかりの家で、年の離れた従姉のミス・スックだけはジョルジュに優しかった。俗世間と切り離されたような暖かい台所で過ごしたジョル…

おまえはママなしでは生きていけないのよ。「スピンクス」1979年

あらすじ 「僕」は魔女の館に住んでいた。「僕」は真っ白な部屋に来る日も来る日も立っていた。毎日毎日「スピンクス」がやって来て「僕」に質問をする。声も出ず体も動かせない「僕」は「スピンクス」に弄ばれる。そんなある日、知らない男の人がアーチーの…

あの日の広島。「夏の寓話」1976年

あらすじ 広島のおじの家の留守番を頼まれた大学生・澄生は、謎の女の子と出会う。とても内気で自分の名まえも家も教えてくれない女の子と仲良くなった澄生は、ある夜不思議な幻を見る。 「きみ、なんて名まえなの」 「…………わかんない」 自分の名前も家もわ…

恋に思い詰める年頃。「ハーピー」1978年

あらすじ 高校生の佐和春海は、同級生の美少女・川堀苑子にだけ、死臭のような奇妙な「臭い」を感じるようになる。死臭を振りまきながら自分を誘惑する苑子を、佐和は女面鳥獣の化け物「ハーピー」なのだと思うようになり、正体を暴いてやろうと思う。 最初…

人魚は報われない恋をしがち。「わたしの人魚姫(ネプチュナ)」1974年

あらすじ ジョリーは砂浜に倒れていた少女・ネプチュナを発見する。記憶喪失のネプチュナを世話をするうちに、足を与えられた人魚姫を思わせる美しい彼女に惹かれていくジョリーだったが…。 きみが人魚姫なら……王子さまはぼく? 山岸先生の淡い恋物語といえ…

心理的虐待、ダメ、絶対。「赤い髪の少年」1973年

あらすじ 大学院生のエマニュエルは従兄の家に招かれた。そこの息子のステファヌは「にんじん」と呼ばれ、母親セブリヌから心理的虐待を受けていた。 「なぜ彼のことをにんじんと呼ぶのです? 髪が赤いからですか?」「あの子の心ときたら髪よりすごい色なん…

パパは僕が苦しい時だけやって来る。「コスモス」1987年

あらすじ 小学生の裕太は喘息持ち。発作が起こるとママはいつも心配そうに裕太を看病してくれる。 優しいママがパパの会社に電話をかけると、パパが帰ってきて車で病院に連れて行ってくれるのだった。 個人的に山岸サイコホラーの最高傑作。わたくし、この話…

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