山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

見えない目には見えないものが見える。「青海波」1982年

あらすじ

盲目の少年・多(まさる)が波打ち際を歩く。
多の見えない目には、すでにこの世を去った人々が見えていた。


「ゆっくり休んでくださいね」

「異能」や「死んだ人」が出てくるけど、幽霊に優しい多くんと特に何も悪さをしない幽霊さんのおかげで和み系の作品になっている短編です(…と思うけど何か怖い仕掛けがしてあったりして…)。女の子の幽霊と貝拾いして遊んじゃってます。楽しげ。ちょっと歌ってる歌が怖いやつだけど。
「盲目・幽霊・海」といえば、『海底より』を思い出すんですが、あっちとは全然違います。真美さんも全盲になった暁にはこういう平穏な「見えるひと」になって欲しいです(無茶言うな)。

夫を残して死んでしまった幽霊さんが、夫が自分を喪った悲しみをようやく乗り越えて元気に暮らしているところを見届けて、安心して成仏していくシーン。
「これでわたし、ようやく目を瞑ることが…」と言って逆に目を開く場面が印象的でした。

収録コミックス

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