取り憑く側の物語。「黄泉比良坂」1983年
あらすじ
「私」は気がつくと一人深い静寂の中にいた。
暗闇の中、たまに通り過ぎる人々を追いかけ、自分が誰かもわからぬまま「私」は彷徨う。
ああ、どうしよう。
わたしは自分が誰なのかわからない!
幽霊密着取材。
「私」は自分が死んでいることに気づかず、何が何やらわからぬまま、見えない目に時折見える人をとりあえず追いかけます。
一時期追いかけられていた小学生の絵里子ちゃんですが、「マブシイおばあさん」がついていたので無事でした。こんな頼もしいおばあさん欲しいですね。
『月の絹』といい、山岸先生はやたらニンジンごはんを推してきます。
自分と相性の良い人間を探す「私」。他人を恨んでばかりの女を見て、死ぬ前の自分を思い出します。自分も夫を恨んで女を恨んで死んでいった、ということを。
それは死後もさまよい続けなければいけないほどの罪なのか?
最後はそのへんにいたモブ顔の男性の肩に乗って高笑いする「私」。
あなたのそばにいると、あたしは五体満足。
嬉しい、嬉しい!
あたしの目が耳が口が甦る。
世界が生き甦る。
主人公目線ではハッピーエンド。
私も以前、「見える」知り合いに「なんか憑いてる」と言われて背中をバシバシぶっ叩かれたことがあるのですが、このおばさんみたいなのが憑いてたのかなー。おじさんだったら別の意味でイヤですが…。
収録コミックス
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