山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

ネジを巻くのが日課です。「ネジの叫び」1971年

あらすじ

造船王の娘・セシルは同じ大学のジョージと結婚した。
しかしジョージは財産目当てでセシルと結婚しただけだった。
ある日、二人が乗っていたヨットが嵐で転覆する。ジョージは好都合とばかりにセシルを見殺しにするが…。


財産目当てだった夫を死んだ妻が苦しめるというオーソドックスな幽霊復讐譚…いや、復讐譚といえるのかはわかりません。だってセシルは死後も日課の時計のネジ巻きをしていただけなので。
セシルは金持ちですが顔は不美人、性格は気弱で健気という、いかにも結婚後即殺されちゃいそうなキャラ。
この話、ジョージも当然悪いんだけど、セシルにもあんまり好感持てないです。ジョージも言ってるけど、日時計のネジを巻くのが日課のつまらない人間だし。金で夫の気を引こうとするし…。
「財産相続の書類にサインする直前のセシルを殺してしまった」というだけでも充分因果応報なジョージに、さらなる不幸が襲う。金目の物を持って逃げたジョージですが、車の鏡に例の置き時計が映ります。

おれは、おれは
あの時計なんかもってこなかったはずだ。
ましてあれがこの車に はいるはずが な……

ギリギリギリギリ

そこには海草がべったりくっついてびしょ濡れのセシルがいつも通りネジを巻いていたのです…。
「車に入るはずのないものが入っている」ってけっこう怖い。
ジョージと浮気してた「意地悪な美人」エリザベスが祟り殺されなかったのが意外です。あ、ジョージも死んではいないか。
セシルの幽霊はジョージに復讐しようとしたり直接危害を与えてはいません。ジョージが勝手にびびって海に落ちただけです。セシルは日課のネジ巻きをしていただけです。

収録コミックス

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