継母とポルターガイスト。「顔の石」1991年
あらすじ
30の大台に乗った妙子は「42の再婚のオジンでしかも中2のコブつき」と結婚した。
結婚相手の平山の娘・千愛(ちえ)は明るく素直でしっかりしたいい子で、妙子のことを「ママ」と呼んでくれる。
順調な結婚生活のように思えたが、平山家では不思議な現象が起こるようになる。
いい子ってストレスが溜まる。
ちょっぴり浮世離れした大学教授の平山の家に後妻として入った妙子は、平山家で幽霊を見たりポルターガイストが起きたりで大騒ぎ!
どうでもいいけど、「30の大台に乗る」「平山の家に入る」とちょくちょく言い方が古い。
揺れるコップ。謎の物音。散る花。飛ぶ座布団。普通にカレー食べてる千愛ちゃんの横で座布団がプカプカ浮いてる1コマはなんかシュールです。
ポルターガイストは、父親の再婚に納得できてなかった千愛ちゃんの仕業でした。ただし本人に自覚はない。
ポルターガイストが起きる家にはだいたい思春期の子供がいるという。
子供の成績が悪くなると学校に呼び出されたりするのか大変だな。千愛ちゃんは子供だし、本人は精一杯いい子でいようとしてたから罪はないけど、平山さんはもうちょっと千愛ちゃんに気を使ってあげなよ…。
「お父さん、お母さんに約束したじゃない。
他の誰とも結婚しないって!!」
「わたし…良い子で成績のいい千愛ちゃんを望んでいるのじゃないのよ。
それに千愛ちゃんのお母さんの代わりになれるなんてうぬぼれてもいないわ。
だけど、千愛ちゃんとはお互い思っていることをズケズケいえる
親友のようになりたいと思ってるの」
妙子の夢に出てきた真っ赤な石炭ストーブと白無垢の花嫁は何の象徴?
最後は千愛ちゃんがちょっぴりわがままを言えるようになり、新しい家で再スタートするというハッピーエンドですが、山岸作品らしく「結局何だったのかはっきりとはわかりません」。
先妻へのうしろめたさ、千愛ちゃんのストレス、そして「その家の霊が子供のエネルギーを利用する」という説。
タイトルの「顔の石」の意味がわからなくてぐぐったけど不明。『山岸凉子スペシャルセレクション〈7〉』の創作秘話によれば「予定していたストーリーと全然違う内容になったので、中身とタイトルがまーったく関係なくなってしまいました」とのこと。そっちの内容が気になる。