山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

2020-01-24から1日間の記事一覧

人魚は報われない恋をしがち。「わたしの人魚姫(ネプチュナ)」1974年

あらすじ ジョリーは砂浜に倒れていた少女・ネプチュナを発見する。記憶喪失のネプチュナを世話をするうちに、足を与えられた人魚姫を思わせる美しい彼女に惹かれていくジョリーだったが…。 きみが人魚姫なら……王子さまはぼく? 山岸先生の淡い恋物語といえ…

神は人間を黄金で作った。「パニュキス」1976年

あらすじ 本とごっこ遊びが大好きなハリーとネリー。兄妹はいつも二人だけの空想の世界に住んでいた。生まれた時から片時も離れなかった二人だったが、ある日別離の時が訪れて…。 最初兄妹の近親相姦ものかと思った。 そしてハリエットおばさんがパン焼き窯…

牧神として育てられた子供。「シュリンクス・パーン」1976年

あらすじ 大学を卒業したばかりの新人小説家オシアンは、亡くなった叔父の屋敷を受け継ぐが、そこにはシュリンクス・パーンと名乗る謎の少年がいた。オシアンとシュリンクスは奇妙な半同居生活を始める。 その一、オールド・バターシー・ハウスの所有者とな…

幽霊と根比べ。「だれかが風の中で…」1973年

あらすじ 盲目の少年ジュールのピアノ教師兼看護婦としてラガッシュ家にやって来たニコル。ジュールは少しずつニコルに心を開いてくれるようになる。しかしニコルはその家でたびたび謎の少女の姿を見かけ…。 「彼女はね、母親にすてられたんだ。再婚のじゃま…

心理的虐待、ダメ、絶対。「赤い髪の少年」1973年

あらすじ 大学院生のエマニュエルは従兄の家に招かれた。そこの息子のステファヌは「にんじん」と呼ばれ、母親セブリヌから心理的虐待を受けていた。 「なぜ彼のことをにんじんと呼ぶのです? 髪が赤いからですか?」「あの子の心ときたら髪よりすごい色なん…

ひたすらダベるお姫様たち。「月の絹」1987年

春は弥生の佐保姫。十代前半。食べ盛りの末っ子。夏は夜空の夕星(ゆうづつ)姫。彼氏ありで人生の絶頂期。秋は紅葉の竜田姫。不倫真っ最中。厚化粧。冬は吹雪の打田姫。お墓コンサルタント。男運はないが自立している。 春夏秋冬のお姫様姉妹たちがひたすら…

それは、彼女にだけ見える友達。「ティンカー・ベル」1973年

あらすじ ダフニーのたった一人の友達は、小さい頃から側にいたティンカー・ベルだけだった。ダフニーが悲しい時、ティンカー・ベルだけがいつも彼女を慰めてくれていたが、ある日出会ったギーと親しくなるにつれて、ティンカー・ベルは彼女の目に見えなくな…

ママン、あたしは醜いの?「ラプンツェル・ラプンツェル」1974年

あらすじ 若き植物学者のオクターヴは、塔の中に住む美しい少女ミケティと出会う。ミケティは母親に「おまえは醜い」と言われ続けながら育てられていた。 「マ、ママン、あたしはみにくいの?」「そうよミケティ。外にでたらころされるわ」 ものすごい美少女…

継母とポルターガイスト。「顔の石」1991年

あらすじ 30の大台に乗った妙子は「42の再婚のオジンでしかも中2のコブつき」と結婚した。 結婚相手の平山の娘・千愛(ちえ)は明るく素直でしっかりしたいい子で、妙子のことを「ママ」と呼んでくれる。 順調な結婚生活のように思えたが、平山家では不思議…

夢見がちもここまで来ればプロの域。「ドリーム」1978年

あらすじ 岡元由子(ゆず)は母の再婚によって、クラスメイトの周防薔子(すおうしょうこ)のいとこになった。 旧家である周防家に遊びに行った由子は絶世の美女・丹穂生(におう)と出会い、周防家の夢のような生活に酔うが…。 登場人物の名前が読めない。…

ピエロと王子様。「かぼちゃの馬車(旧題:「12時の時の精」)」1974年

あらすじ シンデレラストーリーを夢見て遠縁のトレヴァス家にやって来たのに、いとこで当主のシリル卿の小間使いにされてしまったクラシニーラ。 シリルの側にはいつもピエロと呼ばれる男の子がいて…。 初期のかわゆいラブコメですね。ええ。はい。(恋愛も…

スプーン曲げてどうすんの?「二日月」1990年

あらすじ 中学3年生になったえりは転校生の菊池という女子と隣の席になるが、菊池は何かというと自分の「超能力」や「予言」を誇示する。やがて菊池はその超能力でえりとBF・伊達との仲を裂こうとしてくるが…。 超能力しかとりえのない地味女子VS普通の女子…

パパは僕が苦しい時だけやって来る。「コスモス」1987年

あらすじ 小学生の裕太は喘息持ち。発作が起こるとママはいつも心配そうに裕太を看病してくれる。 優しいママがパパの会社に電話をかけると、パパが帰ってきて車で病院に連れて行ってくれるのだった。 個人的に山岸サイコホラーの最高傑作。わたくし、この話…

それは自分にも見えない悪意。「瑠璃の爪」1986年

あらすじ 上杉絹子(28)は、実姉の敦子(31)を刺し殺した。 その後、複数の関係者の証言によって姉妹の関係は少しずつ浮き彫りになっていく。 「関係者への取材」という形をとった構成の臨場感がすごい。本当にこういう事件があったんじゃないかと思ってし…

そして少女は神になってしまった。「時じくの香の木の実」1985年

あらすじ 正妻の娘・日向、妾の娘・日影。 ほぼ同時に8歳になった二人は、巫女である大叔母の屋敷に連れてこられ、どちらが跡継ぎとなるかが試される。差し出されたのは奇妙な果実…。 「それを食べるのです。それを食べるとおまえ達のどちらかが 永遠に年を…

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