山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

幻想的なオムニバス。「幻想曲」1977年

幻想的な短編いっぱいのオムニバスです。あまり感想はない。

虹(プレリュード)

一切台詞のない絵のみの短編。7人の女神が次々に太陽の神とキスして落下(落花!)するとやがて虹となる。
山岸先生の描くギリシャっぽい衣装って好き!
この女神様たちは虹が2色の国では2人になるのだろうか?

分身(ダブル)

「見てはいけない」とされている黒い森の池。ある日、池を見てしまった少年は池に映った自分に引きずり込まれ、溺れて死んでしまう…。
学校の怪談っぽい、ちょっと怖い話です。池に引きずり込まれて終わりじゃなくて、少年の葬式が挙げられるとこまでしっかり描かれてるのがなんか逆に怖い。

転身(メタモルフォーゼ)

これも台詞なし。変身能力を持った奇術師の女を観客の男が口説き落とし、そのまま熱い夜になるかと思えば、不思議な女は服どころか皮まで脱いじゃって骨だけになって崩れ落ちてしまいます。
このオムニバスの中ではコミカルで面白いです。
男は女を大金積んでものにしようとしてたけど、骨となって崩れた女をちゃんと埋葬して泣いてあげるあたり、けっこういい奴っぽいぞ。

堕天使(フォールン・エンジェル)

これは怖い。インパクト系恐怖。真夜中、眠っていた女の子が目を覚ますと、窓辺に背を向けた天使様がいる。
「ねえこちらをむいて」と女の子が天使を振り向かせると…。
「天使さまが……気の…気の狂った天使さまが」

妖精(エルフ)

村でただ一人の看護婦さんが謎の男の妻の出産を手伝った際、棚にあった薬に興味を惹かれ、それを右目に塗った。
数年後、市場でたまたま男を見かけて声をかけた看護婦はなぜか薬を塗ったことがばれ、右目をつぶされてしまう。
看護婦が勝手に使ったのは「妖精が見えるようになる薬」というロマンチックな薬だったのだ。
しかしこの妖精さんは奥さんと赤ちゃんを助けてもらっといて「片目にだけぬったので助かりましたね」はひどくないですか。もう少し「私だって辛いんですよ」的雰囲気出そうよ。

月(フィナーレ)

「空がちょっとさびしいわね」
星のない夜。女の子が空の月と湖に映る月をシンバルのようにパシャーンと打ち鳴らすと、夜空は一面星空に…。おしまい。

収録コミックス

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