山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

3人の女性の物語。「三色すみれ」1973年

3話入りのオムニバス。3人の女性の物語です。エピソードごとに時代が飛ぶのですが、ヒロインたちが着てるドレスがちゃんとロマンティックスタイル→エンパイアスタイル→アール・ヌーヴォーと変化していて細かいです。時代考証ちゃんとしてる。

第1話「雫」

ルフェビュール家に住む捨て子のフロレーヌの恋と失恋の話。多分身分違いの恋なので諦めましたという話のはず。
義姉のアナベルがいかにも意地悪キャラっぽい雰囲気のわりにはそんなことはなかったのがよかったです。
しかしヒロインが美人で控えめというだけで男に好かれてしまうあたり昔の少女マンガだなぁ…。

第2話「水仙

自分の美しさを十二分に理解している傲慢な美女・オルタンスの話。
まとまってるし主人公のキャラも立ってるし好きなエピソードです。山岸先生の描く歪んだ性格のナルシストは好きです。ヘレネーとか。
嫌いな女に勝つためだけにその女の夫をたぶらかして奪い取ろうとする執拗さとか、少なくとも上のフロレーヌよりはキャラクターとして面白い。こういうキャラの人間性が前面に出たストーリーは私は好きですね。

第3話「あげは蝶」

天使のように天真爛漫な売春婦・ロールの話。
可愛くて夢見がちで無邪気でアメリカとアフリカの区別がついてないアホの子・ロールにメロメロになる男たちの図はまるで「天然ボケの不思議ちゃんがなぜか一番モテてる合コン」のようです。この子もルフェビュール家の女かな。

収録コミックス

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