山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

努力しない人間は食べちゃうぞ。「八百比丘尼」1982年

あらすじ

私立女子高生の江崎はつまらない日常にうんざりしていた。
しかし夏休みを前にしたある日、八重子という美少女に声をかけられた江崎は彼女の家に遊びに行くことに。
八重子の家には八重子そっくりの顔をした母と叔母がいた。


東京へ来ればなにかいいことがあるのじゃないかと思ってた。
なによ何もないじゃない。何もないじゃない!

自他共認めるつまらない少女・江崎は、ひょんなことから出会った人懐っこい美少女・八重子に何故か気に入られる。
八重子の家に招待された江崎は、美しく異常なまでに若い八重子の母と叔母に出会う。屋敷には「鱗のようなもの」が落ちていた。
八重子の家で過ごすうちになぜかどんどん体調が悪くなっていく江崎は、屋敷を這いずっているうちに八重子たちの正体を知ってしまう。

「人間を食べて、わたしたち単性生殖するの」

八重子たちは八百比丘尼伝説とは逆に、人間を食べて800年生きる人魚でした。わりかし荒唐無稽です。自分自身と絡み合って単性生殖する人魚たちの姿が艶めかしい。この人魚たちの「単性生殖」は「自分同士でするセックス」のような感じらしく、気持ちいいらしい。ナメック星人はあんな辛そうな産み方してたのに…。

「あの子のことは大丈夫なの?」
「一番目立たないのを選んだのよ。あの子一人の消失ぐらい誰も気にとめやしないわ」
不満だらけでその実自分からは働きかけない人間はごまんといるのよ。
だからちょっと優しくすればホイホイついてくるわ」

好感持てない主人公+取って食われる系+ドラえもんのような教訓つきという、山岸作品の中でも比較的わかりやすく読みやすいホラー。
作中では人魚たちがUFOに乗ってやって来たような描写があります。『神かくしPart2』でも天狗っぽい生物がUFOに乗って来てましたね。

収録コミックス

[山岸凉子漫画感想ブログ]は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。