山岸凉子漫画感想ブログ

山岸凉子先生の漫画作品の感想を書いていきます。普通にネタバレしてますのでご注意ください。

牧神として育てられた子供。「シュリンクス・パーン」1976年

あらすじ

大学を卒業したばかりの新人小説家オシアンは、亡くなった叔父の屋敷を受け継ぐが、そこにはシュリンクス・パーンと名乗る謎の少年がいた。
オシアンとシュリンクスは奇妙な半同居生活を始める。


その一、オールド・バターシー・ハウスの所有者となる者は必ず当館に居住すべし。
その二、パーン一匹飼育すること。

チャールズ叔父やばい。
面倒見のいい兄ちゃんのオシアンが牧神パーンの面影を持つ中性的な少年シュリンクスにプリンを食べさせてやったり文字を教えてやったりする、どちらかというとほのぼの系のお話です。
しかし、話には一度も登場しないにも関わらず濃いエピソードを残す変人チャールズ叔父がやばすぎる。絶対クスリやってる。
山岸作品には「保護者に変な価値観を刷り込まれた子供」がたまに出てきます。えぐいところだと『蛇比礼』『星の素白き花束の…』などですが、ここまでじゃないけど十分おかしい。私ならチャールズ叔父がシュリンクスに何か変なことしてないか確認するね。児童相談所の方と一緒に。

オシアンに出会うまで偏屈者のチャールズ(大きいパーン)に「飼育」されていたシュリンクスは、平気で屋根のない場所で眠り、ドッグフードを食べ、20キロ離れた店から食べ物を盗み「女は嫌いだ」というチャールズに男として育てられ、チャールズの厭世観を植え付けられていた。

「人に愛してもらえない人間をパーンっていうんだって」

ラストは(予想してたけど)とある事実が発覚してハッピーエンド。シュリンクス6年の間に成長しすぎじゃない?

収録コミックス

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